おうち英語と聞くと、何か特別な準備がいるように感じるかもしれません。英語を教えること。教材をそろえること。親御さん自身が英語を話せること。そうしたものが必要だと思うと、はじめる前に少し身構えてしまうこともあります。
けれど、おうちで英語にふれる入り口は、もっと小さく、身近なところにあります。それは、親御さんが毎日お子さまにかけている「声」です。このページでは、その「声かけ」が、なぜ英語のはじまりとして十分なのかを、ゆっくり見ていきます。
A.「声かけ」とは何か
「声かけ」は、勉強の時間ではありません。朝起きたとき。ごはんのとき。出かけるとき。お風呂のとき。寝る前。そうした毎日の場面で、親御さんが自然にかけている短いことばのことです。
英語の「声かけ」も、それと同じです。新しく時間をつくる必要はありません。すでにある一日の流れの中に、ほんの少しだけ英語のことばをのせてみる。それだけで十分です。
たとえば、「おはよう」のかわりに、ときどき "Good morning."(グッド モーニング)と言ってみる。何かを渡すときに、「どうぞ」のかわりに "Here you are."(ヒア ユー アー)と言って渡してみる。はじまりは、そのくらいの小さなことで大丈夫です。
B.なぜ親の声なのか
英語の音は、どこから聞こえてくるかによって、子どもへの届き方が変わります。いつもそばにいる人の声は、ほかのどんな音よりも、子どもの中にやさしく残っていきます。
親御さんの声には、お子さまがすでに安心して耳を傾けています。その声にのって入ってくる英語は、勉強としてではなく、毎日のやりとりの一部として届きます。
発音は気にしなくて大丈夫です。きれいに言えることよりも、いつもの場面で、いつもの声で、くり返されることのほうが、この時期には大きな意味を持ちます。親御さんの言い方で、ちゃんと伝わります。
C.小さくはじめる
はじめから一日を英語にする必要はありません。むしろ、欲張らないほうが続けやすくなります。
まずは、一日の中のひとつの場面を選んでみてください。朝のあいさつでも、ごはんの前でも、出かけるときでも構いません。その場面で言う英語を、ひとつかふたつだけ決めておきます。
決めたことばを、毎日その場面でくり返す。それだけで、お子さまにとっては「この時間にはこのことば」という、心地よいリズムになっていきます。新しいことばを足すのは、それが自然になってからで十分です。
D.できない日があっても
忘れる日もあります。日本語のほうが先に出てしまう日もあります。言いそびれても、気にしなくて大丈夫です。
「声かけ」は、毎日きちんと続けるための課題ではありません。言えた日があり、言えない日がある。そのくらいのゆるやかさの中で続けるほうが、英語は「やらなければならないもの」にならず、生活の一部としてそばにありつづけます。
大切なのは、量でも正しさでもありません。親御さんの声で、英語が毎日のどこかにそっとあること。それだけで、お子さまにとっては十分なはじまりになっています。
うまく言えなくても大丈夫です。たくさん言わなくても大丈夫です。いつもの場面で、いつもの声で、ひとことかけてみる。その小さな積み重ねが、おうちの英語のいちばん自然なはじまりです。
まとめ
- おうち英語は、特別な準備からはじまるものではありません。教えることや、教材をそろえることよりも前に、親御さんが毎日かけている「声」が、いちばん自然な入り口になります。
- 親の声だからこそ、深く届きます。ほかのどんな音よりも、そばにいる人の声は子どもの中に残ります。発音はきれいでなくても大丈夫です。いつもの声で、くり返されることが大切です。
- 小さく、ゆるやかに。一日のひとつの場面で、ひとつのことばから。言えない日があっても構いません。生活の一部としてそばにありつづけることが、いちばん大切です。
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